Web3.0とは? これまでのインターネットとの違いやWeb3.0の可能性・課題を徹底解説

Web3.0とは? これまでのインターネットとの違いやWeb3.0の可能性・課題を徹底解説
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近年「Web3.0」という言葉がITトレンドになり、NFTやメタバースなどへの活用が期待されています。しかし、Web3.0が具体的にどのようなものなのか、明確に説明できる方は少ないのではないでしょうか。この記事では、Web3.0がこれまでのインターネットとどのように違うのかを解説します。

近年、ITのトレンドワードともなっている「Web3.0」に、アンテナを貼っている担当者の方は多いのではないでしょうか。

 

Web3.0のインターネットでは、情報の主権が個人に移り、NFTやメタバースなどに技術が活用されることも期待されています。すでに、暗号資産の分野ではWeb3.0の根幹となる考え方が浸透していると考えることもできますね。

しかし、Web・ITの担当者の中にも、まだまだWeb3.0とはどのようなものなのか、明確に理解している方は多くはないでしょう。

この記事では、Web3.0の定義やメリット、これまでのインターネットとどのような部分で違いがあるのかを解説します。

Web3.0とは?

Web3.0とは、「次世代インターネット」「分散型インターネット」とも呼ばれる、新しいインターネットの形です。

基本的な考え方として、GAFAMなどの巨大企業による一極集中型のインターネットから、テクノロジーの分散管理を行い、情報の主権を分散しようという考えが根幹にあります。

Web3.0という言葉が注目を集めはじめたのは2021年頃からと最近ですが、最初に提唱されたのは暗号通貨「イーサリアム」の共同創始者ギャビン・ウッド氏が提唱した、2014年頃と言われています。

Web3.0を実現するための仕組みにはブロックチェーン技術が用いられており、暗号資産やNFT、メタバースといったITトレンドの分野もWeb3.0のインターネットです。

ここからは、Web3.0が必要とされる理由について解説します。

巨大企業に情報が一極集中する危険性

Web3.0のインターネットでは、特定企業に個人情報が管理されることによるプライバシーの問題や、セキュリティリスクを改善することが期待されています。

従来のインターネットでは、世界中に浸透しているサービスを提供している「GAFAM(ガーファム)」と呼ばれるビッグ・テックに情報が一極集中しているのが現状です。

・Alphabet

・Amazon

・Meta

・Apple

・Microsoft

巨大企業にユーザーの属性や行動履歴などの情報が集中することで、利用者のプライバシーが侵害されてしまうリスクがあります。例えば、検索履歴やECサイトでの購入履歴を基に配信される広告は、好みの商品を探すには便利な反面、趣味・趣向や、購入履歴などの情報が利用されているとも考えられます。

 

また、SNSなどを例にとっても、従来型のインターネットではユーザーがプラットフォームに依存していると考えることができます。

プラットフォームに個人情報を受け渡しているだけではなく、一方的なアカウント削除やアクセス制限などが課せられる場合もあります。また、国によっては特定のプラットフォームへのアクセスを禁じているケースもあり、エリアによって受け取れる情報が平等ではない点も問題です。

Web3.0にインターネットが移行していくことにより、巨大企業に情報が一極集中する危険性を排除することが1つの目的と言えるでしょう。

Web3.0がこれまでのインターネットをどのように変えるのか?

Web3.0がこれまでのインターネットとどのように変わっていくのかを考えるには、「Web1.0」から「Web2.0」までのインターネットの変遷を知っておく必要があります。

 

・Web1.0:一方向の情報伝達

・Web2.0:双方向性のコミュニケーション

 

1990年代からのインターネット黎明期は「Web1.0」と呼ばれています。個人が発信するコンテンツは少なく、企業のウェブサイトの閲覧やEメールの送受信が主な、一方向での情報伝達が行われていた時代と言えます。

2000年代に入り、現在のインターネット「Web2.0」の時代に突入すると、SNSや動画投稿サービスなどが普及し、一方向での情報伝達から双方向性のコミュニケーションが取れるインターネットに進化してきました。

Web1.0、Web2.0の時代を経て、Web3.0では個人がデータを管理するインターネットに進化することが期待されています。

Web2.0までの従来型のインターネットでは、データがサーバーに保存され、ユーザーはサービスを利用する際にサーバーから情報をダウンロードしたり、アップロードしたりする「クライアントサーバー型」が主流です。

ただし、クライアントサーバー型は、サーバーの所有者にネットワークの実権が集中する中央集権型とも言えます。膨大な個人情報を持つサーバーにサイバー攻撃が仕掛けられて情報が流出した場合、想像を超えるほどの混乱が生じるリスクがあります。

 

Web3.0では、ブロックチェーン技術による「P2P(ピア・ツー・ピア)」によって、個々のユーザーが情報を保持することで、情報の主権を持ちながらインターネットを利用することが可能です。

ですので、Web3.0にインターネットが移行することにより、プライバシー・セキュリティ性が巨大なプラットフォームに依存せず、個人により守られた形でインターネットを利用できるようになると考えられます。

Web3.0に利用されるブロックチェーン技術

 

Web3.0は、暗号資産やNFTにも利用されている「ブロックチェーン技術」をベースとして構築されます。

ブロックチェーンは、ネットワークにつながる者同士の取引記録が、参加者に分散されて保持される仕組みを持ちます。ブロックチェーンを構成するP2P通信には、中央集権型のサーバーはなく、参加者が同一のデータを持ちチェーンのようにつながる点が特徴です。

複数のユーザーで同一のデータを持つブロックチェーン技術を用いた通信では、データの改ざんや複製・不正アクセスが発生した場合でも、ユーザー間でデータの矛盾が発生するため不正をいち早く検出することができます。

また、参加者に保持されるデータは分散された暗号化技術で保護されているため、高いセキュリティ性能を持つ点もメリットです。

ここでは、ブロックチェーン技術を活用したWeb3.0の実例を、具体的に紹介していきます。

NFT

NFTとは、「Non Fungible Token」の頭文字を取ったもので、ブロックチェーン技術を利用した「非代替性トークン」のことを指します。

NFTは、主にデジタル資産の唯一性を証明する目的で利用されます。NFTアートなどが高額で取引されているというトレンドで注目している方も多いのではないでしょうか。

絵やアートを例にとると、アナログの原画は世界に唯一のものとして高い価値を持ちますが、一般的にデジタルのデータは複製が容易なため、唯一性の証明が困難です。そこで、デジタル資産と紐づけてNFTを発行することにより、デジタル資産に唯一性を持たせることが可能となります。

近年では、芸人が自分の持ちネタの音声をNFTで販売したという例もあり、一般的にも浸透しつつあるWeb3.0の技術と考えられます。

メタバース

メタバースとは、自分自身が主体となって行動できる「仮想空間」のことを指します。

仮想空間に構成されたメタバースでは、好きなアバターで行動をしたり、メタバース内の土地や建物、アイテムを売買することが可能です。メタバース内でのアバターやアイテムがNFT化されることで、現実世界での物品と同様に唯一無二の価値を持つことになります。

メタバースはゲームの枠を超え、メタバース上でのオンライン会議やオフィスワークにも活用が進んでいます。

今後、リモートワークが今以上に普及すれば、メタバース内に出勤をするというのも一般的になるかも知れませんね。

分散型金融「DeFi」

DeFiとは、ブロックチェーン技術で構築された「分散型金融」のシステムを指します。

DeFiでは、一般的な金融資産のような中央銀行を持たない仕組みのため、手数料を安く抑えることが可能となっており、スピーディに取引が行えるメリットが挙げられています。

また、中央銀行を介さないDeFiでは、国を問わずに利用することができるため、国や地域を問わずに平等な金融サービスを受けることを可能とします。

Web3.0が注目を集める理由

Web3.0のインターネットでは、これまでの巨大企業への一極集中型から、個人でデータを管理するフェイズに移行します。

ここでは、Web3.0に移行するメリットや、将来的に実現可能なビジョンを解説します。

セキュリティレベルの向上

Web3.0はブロックチェーン技術で構築され、Web2.0よりもセキュリティレベルが向上することが期待されています。

Web2.0までのクライアントサーバー型のインターネットでは、ユーザーの個人情報が特定の企業・サーバーに集約されており、サーバー攻撃やハッキングなどにより大量の個人情報が流出する危険性が懸念されていました。

ブロックチェーン技術では、参加者によって情報が分散管理されているため、セキュリティレベルを高く保つことが可能です。

また、ブロックチェーンを構築するP2P通信では、サーバーを介さない通信を行うため、物理的なサーバーのトラブルによるサーバーダウンも防ぐことができます。

国境や人種の制限をなくす

Web3.0では特定の企業やサーバーを介さずに通信を行うため、国境や人種の違いによる情報の格差をなくすことが期待できます。

国や地域によっては、従来型のインターネットは政府の方針などによりアクセスが制限されているケースがあり、全ての方に平等に情報が届けられているとは言えません。

 

また、SNSを例にとると、言論の内容などによりプラットフォーム側から一方的にアカウントを制限されるケースもあります。プラットフォームの円滑な運営や犯罪行為の防止のためという側面はあるものの、判断基準がプラットフォームに依存している部分は否めませんね。

個々が情報の主権を持つWeb3.0では、世界中の誰でも自由に情報を得たり発信したりすることが可能となります。

個人情報を自己管理できる

Web3.0では、個人情報をプラットフォームに依存せず、個々人で管理できるメリットがあります。

Web2.0以前のインターネットでは、Web上のサービスを利用する場合には、サービスの提供側に個人情報を登録する必要がありました。また、検索履歴やECサイトなどでの購入履歴もビッグデータ化され、販促に活用されてきた側面があります。

Web3.0では、利用者がそれぞれ情報を管理するため、サービスの利用に当たっての個人情報の登録の必要はなく、プライバシーを守ったうえでインターネットを利用することが可能です。

企業とユーザーが直接コンタクトできる

Web3.0では、特定の企業やサーバーを介さずにインターネットを利用することができるため、企業とユーザーの垣根がなく、直接コンタクトすることができます。

ですので、これまでインターネット上でユーザーと企業の仲介を行っていたビジネスモデルが不要となり、新しいビジネスモデルが確立されることが予想されます。

技術革新の大きなターニングポイントには、大きなビジネスが生まれるケースが多くなっています。このことからも、Web・ITの担当者はWeb3.0の動向にアンテナを貼っておくべきであると言えるでしょう。

 

Web3.0が一般的になるための課題

 

Web3.0は、まだITリテラシーの高い一部の方にとってのトレンドであり、消費者となるユーザー層にまで浸透しているとは言えません。

ここでは、Web3.0が、今後Web2.0と同様に一般的なインターネットの形になるために必要な課題を解説します。

 

手数料の低価格化

Web3.0のサービスを運用するためには、暗号資産を用いた手数料の支払いが必要となります。

暗号資産ウォレットを使用する際の手数料はトークン・仮想通貨によっても異なりますが、誰もが自由に使えるインターネットを目指すうえでは、手数料の低価格化が期待されますね。

参入ハードルを下げる必要

Web3.0に参入するためには、クライアントサーバーを介さないネットワークの構築が必要となるため、相応のデジタル領域の知識が必要です。

また、既存の企業に依存しないというメリットは、反面、既存のプラットフォームからの保護を受けられないというデメリットにもつながります。Web3.0は高いセキュリティレベルを誇るものの、ハッキングなどのトラブルが起こった場合に自己責任で対応しなければならない点も参入ハードルとなります。

Web3.0が広く普及するためには、個人レベルでも参入ができるラインまで参入ハードルを下げる必要があります。

 

国内での普及のためには税制改革も必要

 

日本国内では、暗号資産に対する税制度の改革もWeb3.0の普及のためには必要です。

現行の暗号資産の税制では、暗号資産を発行した段階で課税対象になってしまうため、潤沢な予算のないベンチャーでは参入のハードルが高くなってしまいます。

税制が有利な海外に優秀な技術者やアイディアが流出してしまうのを避けるためにも、政府主導での税制改革に期待したいですね。

 

国内外でのWeb3.0の活用事例

 

すでに、国内外ではWeb3.0を活用したサービスが稼働しており、多くのユーザーを集めています。

ここでは、国内外でのWeb3.0を活用したビジネスモデルを紹介します。

 

NFTマーケットプレイス「OpenSea」

 

OpenSeaは、世界最大規模のNFTマーケットプレイスです。

OpenSeaでは、NFTアートや音楽・写真などさまざまな種類のNFTが出品されており、イーサリアムを始めとしたさまざまな暗号資産でNFTの売買を行えます。

出品されているNFTを購入するだけではなく、無料でNFTを作成・販売することができるため、NFTクリエイターが集まるプラットフォームとなっています。

→OpenSeaはこちら

NFTゲーム「My Crypto Heroes」

 

 

 

My Crypto Herosは、国産のWeb3.0のサービスとなっており、ブロックチェーン技術を活用した、多くのプレイヤーを集めるNFTゲームです。

My Crypto Herosでは、自分の所有するヒーローでクエストをこなすことで、アイテムを集めることができるゲームとなっています。ヒーローのアセットやゲーム内のアイテムはマーケットで暗号資産での売買が可能となっていますので、単なるゲームの枠を超えた楽しみ方が可能です。

また、ユーザー同士でバトルができる「デュエル」では、ランキングに応じたポイント・アイテムをゲットできますので、ゲームとしても楽しむことができますね。

ヘヴィゲーマーは総じてITリテラシーが高いことが多くなっていますので、Web3.0を普及させるためにゲームというプラットフォームを有効に活用した成功事例と言って良いでしょう。

 

→My Crypto Herosはこちら

次世代ブラウザ「Brave」

 

 

Braveは、従来のブラウザのような「リターゲティング広告」をブロックし、高速、かつ快適なブラウジングを可能にした次世代ブラウザです。

Braveでは、サイト閲覧時にcookieを蓄積させず、閲覧履歴などによるリターゲティング広告をブロックすることが可能です。

また、広告を表示する設定にすることで「Brave Rewards」という暗号資産をポイントとして貯めることができるのも大きな特徴です。ただし、日本国内では法規制によりBrave Rewardsを換金することはできず、純粋なポイントとして付与されます。

 

→Braveはこちら

Web3.0はより安全に主体的にユーザー同士がつながれる可能性を持つ!

 

Web3.0はブロックチェーン技術で構築されたインターネットで、情報を参加するユーザー同士が個別に保持することができます。

これまでのWeb1.0・Web2.0のインターネットでは、巨大企業やサーバーに情報が集約された中央集権的な運用が行われていました。

Web3.0で情報の主権が個人に移ることにより、プライバシーやセキュリティレベルの高いインターネットを実現できると期待されています。

Web担当者の方にとっては、Web3.0に移行するターニングポイントとなる今は、非常に大きなビジネスチャンスであると考えることができます。

 

 

 

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